孤独の中で!!

 長かった休載よさらば!!
 ということでようやく更新されたキン肉マン最新話だけど、ネメシスドライバーを仕掛けられたスグルが父や仲間たちからエールで奮起、技から脱出してネメシスにキン肉ドライバーを食らわせた、というところから開始。
 そこまでは予想した方も多いかと思いますが、ここでまさか将軍様がキン肉ドライバーをかけられた時のことをバッファローマンに対して蒸し返すとは思わなかったよ。あの試合、バッファローマンの乱入がなければキン肉マン負けてたし、あれって完全な反則だから。
 しかし器の大きい将軍様はそのことはもういいとさらっとスルー。キン肉ドライバーを食らった者としてあれでは威力不足、とサンシャインと共に盛り上がるのでした。というか悪魔陣営三人ともキン肉ドライバーの餌食になってるのかよ。
 一度破られてからも数多のバリエーションが登場して進化し続けるキン肉バスター(この試合でもネメシスの手によって新たな進化形が登場した)、キン肉族三大奥義の奥義の一つにしてシルバーマンですら完成できなかった技として他の技と別格扱いにされるマッスルスパークに比べるとキン肉ドライバーはシングルでは悪魔将軍、ホークマンを倒したもののキン肉マンゼブラにあっさり破られタッグ以外では不遇な技、という印象が強いんですが、今回つなぎ技とはいえこうして日の目を見れて良かった。
 キン肉バスターは48の殺人技でカメハメ由来、マッスルスパークはシルバーマンからの伝来なのにキン肉ドライバーだけはスグルが自身で閃いた上で特訓して身についた技ですしね。
 ドライバーの特訓は技自体は割とあっさり完成するものの、仕掛け方が全然ダメで技として使えねー、からのイノシシ襲来で実戦の中でベストな仕掛け方を見つけて技が完成するって流れが良かったですね。フィクションにおける努力描写っていうのは作者が恣意的に結果を出せるものなんで努力したから結果が出た、というのは都合よすぎる、と感じがちなもの。キン肉マンにおける努力というのは努力プラスアルファがなければ結果は出ない、というものが多いという気がします。ウォーズマンの竹やぶ特訓なんかもそんな感じだったし。
 もっともベストな仕掛け方を見つけたと思ったキン肉ドライバーは一度あっさり将軍様に防がれてしまうんだけど……。
 ダウンから回復したネメシスに対し、キン肉族に戻ってきてほしいと懇願する真弓とハラボテ。友情パワーの素晴らしさは理解しつつも、自分が受けた災いを繰り返すまいとただ一人完璧超人の道を貫こうとするネメシス。普通、この流れになったら「俺の歩んできた道は間違ってるのか?」みたいになりそうなもんなんだけど、あえて完璧超人の道を歩むというところがカッコイイ。本当今のキン肉マンのシリーズはキャラがぶれて格が下がってしまう、という現象が起こらないのがスゴイと思う。
 たった一人で完璧超人の道を歩もうとするネメシスの前に現れたの無量大数軍の生き残りピークアブー。完璧超人なら自害して死ね、というネメシスに完璧超人は皆お前に期待している。お前は一人じゃないとエールを送るピーク。そして会場にはひそかにネプチューンマンも訪れており、ネメシスに対して「キン肉マンに勝て」と激励するのでした。
 友情パワーによってネメシス動揺→キン肉マンワンサイドゲームになるかと思いきや、完璧超人サイドも友情パワーによってメンタル面で強化されるという流れが熱すぎる。本当に今のキン肉マンには期待を裏切られることがない。