雑魚の誇り!!

 前回、ネメシスから完璧超人界に移籍しろと勧められたスグル。かつてのヘタレ面からすると多少すり寄る態度を見せるのかな、と思いきや「断る」の一言でネメシスをはねつけたのはカッコイイ。しかも、ネメシスは結局のところ「人を信じたことをやめただけ」とちゃんと相手のダメな点を分析していました。「あきらめず一族と民を信じ続けることが自分の大王としての矜持」とまったく臆するところのないスグル。試合前に弱みを見せたことが今回のカッコ良さを一層引き立てていますね。
 ネメシスは特に残念がることもなくそれでは仕方ないとためらいなくスグルをボコボコに。ネメシスの猛攻から逃れようとするスグル。しかしテリーの口から放たれたアドバイスは「後退せず前へ出ろ」。パンチの雨をいとわず前に出たことでスグルは攻撃の糸口を掴み、かんぬきスープレックスでの反撃に成功するのでした。
 そしてウォーズマンの口からは「ロビン戦法No1」という単語が飛び出しました。ここでロビン戦法の名が出るの最高過ぎるし、人を信じ続ける、と言った後で仲間たちのアドバイスで果敢に攻めるという展開なのも最高すぎる。今のキン肉マンは本当に王道の面白さを体現しているとしか言いようがない。
 ダメージを食らい「雑魚が寄り集まりおって」と負け惜しみを口にするネメシス。それに対して「正義超人は雑魚の集まりかもしれないし、完璧超人は独立した大魚かもしれない。だが雑魚より大魚のほうが強いと誰が決めた?」とまったく退かないスグル。
 己の力のみを頼るのは誇り高い態度化もしれないが、それは裏を返せば人を信じることをあきらめただけ。こうした態度の間に優劣などはない。単に主義主張の差があるだけ。大魚より雑魚のほうが強い、と言わず正義と完璧の差は主義主張だけだ、というところにスグルの成熟と余裕を感じますね。
 ロビンとラーメンマンの言葉を思い返し、自分が正義超人たちに理解を示しかけていることに気付き動揺するネメシス。しかしあくまで「完璧超人の圧倒的理性と力を信じるのみと宣言しネメシスは大技ネメシスドライバーでスグルにとどめを刺そうとするのでした。
 ネメシス=サダハルも救うべき同胞のひとり、どうか救ってやってほしいと涙ながらに訴える真弓。こんな時に無茶ぶりしてますが、ついにキン肉マンのKINマークには光が灯り、火事場のクソ力発動の萌芽が見えるのでした。

今回はまさにこれぞ主人公だ!と言わんばかりのスグルの演説が最高にカッコイイ回でしたが、終盤のテンションからすると、もう後二話くらいで決着がついてしまいそうな勢いを感じます。次回はネメシスドライバー破り→マッスルスパーク合戦みたいになるんでしょうか。