永遠なる魂!!

今回のキン肉マンのみどころもやはりサイコマンの顔芸、というかキレ芸。
 というわけで前回はジャスティスマンの試合放棄によりテリーマンが勝利という形でテリーvsジャスティス戦が終了し、この決着の仕方はアリかナシかで言ったらナシだろと思ったのですが、今回のジャスティスマンの語りを読んだ後だとこの落としどころで良かったという気がしてきた。
 ジャスティスマンは完璧を目指しながら金銀兄弟を粛正し、アシュラマンを潰しその度に悩み、自分の目指す完璧は「正義」なのか?と悩み続けてきた奴なわけで、そのジャスティスマンがテリーの示した「戦う魂」を世代にわたって受け継ぎ進化させていくことが永遠なる完璧のひとつの形になりえると判断したことで自らの過ちを認めて身を引く、というのはいい決着だったと思う。テリーマンジャスティスマンにダメージを全然与えられてないんでジャスティスマン甘いんじゃないの、って部分は残るけど、「互いにわかり合う」ことを信条とするテリーマンの戦いとしてはこういう勝利の仕方がベストだったのかもしれない。毎回、勝負の上では負けても戦う魂は折れない、っていうのがテリーマンのいいところだしね。後悔はない、と思いつつも壊れた義足を見てこれでよかったんだよな、とバックランド爺に問いかけるシーンの人間臭さも良かった。
 テリーの戦いはこれで終わりだけろうけど、第二、第三のテリーがきっと現れる。テリー・ザ・キッドはテリーの魂を継ぐ者としては正直アレだけど、このシリーズの内容をフィードバックした二世が始まればきっとテリーの魂を継いだキッドが見られるはずだ。
 一方でザ・マンに従っていた始祖の中で唯一超人たちの未来を信じるに至ったジャスティスマンの笑顔、そしてかつてのゴールドマンこと悪魔将軍とのアイコンタクトをするシーンもすごく良かった。ゆで先生はジャスティスマンを今までのレギュラーに負けないキャラに育てたいと言ってたけど、この回でジャスティスマンはガンマンと違った形での強豪としてキン肉マンの歴史と我々の心に残るキャラになったんじゃないかと思います。
 そんなわけで爽やかなものが残る決着がついたテリーvsジャスティス戦ですが、爽やかさと無縁な連中が黙ってるわけがなかった!激おこ状態の武道さんは眼力だけで窓ガラスを破壊し「テメエきっちり〆てやる」という勢いでジャスティスマンを睨みつけるのでした。
 今にも武道vsジャスティスマンのバトルがはじまってしまうのか、という雰囲気の中サイコマンは「とうとうこの日がきましたか〜〜!!」とジャスティスマンの裏切りなんぞ見切ってたと言いつつブロッケンJrを平常運転でボコっています。そして裏切りはわかっていたけど何故このタイミングでやらかしやがる、「このわたしの邪魔をすることにかけては天才的」とマジギレ。怒、怒、怒とブロッケンJrへのウルトラスーパー八つ当たりタイムが開始されるのでした、というところで本編は終わったけどテリーvsジャスティス戦の余韻をサイコマンが全部持っていってしまった印象。
 ジャスティスマンが「私」の邪魔をするという発言からはサイコマンが個人の思惑で何かやらかそうとしているということが読み取れますが、何故このタイミングがマズイのか、金銀兄弟を同士討ちさせたこともサイコマンの邪魔になっているのかとか色々考えさせられます。
 サイコマンは何かを企んでるのは間違いないけどザ・マンや完璧超人を裏切って悪事を働こうとしている風でもないかなという気が。というかこいつは実のところもっともザ・マンに忠実な奴だった、というオチになるんじゃないかと予想。完璧超人の行きつく道は新たな神、ということで武道を神にするのがサイコマンの目的のような気がします。サイコマン自身も神になろうとしてるのかもしれないけど。
 そんなわけではじまってしまったブロッケンvsサイコマン戦。シルバーマンとかアタルの乱入があるのかということばかりが気になってしまうけれど、ブロッケンがどれだけ頑張れるのかに注目していきたい。