歴史の光と影!!

 今週でネメシスの回想は終了!でも回想シーンはまだ続きます!!な、なんだってーーー!!
 というわけで今回のキン肉マンはネメシスが完璧超人になったいきさつが語られました。前回ネメシスを激しく攻撃していたミラージュマンはネメシスがシルバーマンの子孫だと気付くとあっさりネメシス受け入れを決定しシルバーマンとキン肉族の歴史をあっさりバラしてしまうのでした。今回も戦いが続いてネメシスがきっちりミラージュに実力を見せつけるのかと思ったらシルバーの子孫ってだけで受け入れるってコネ入社にもほどがあるだろう。そりゃネメシスも最初は理解できなかったってツッコむよ。あと黒歴史とか言っちゃうネメシスさんがお茶目。
 そしてミラージュマンに認められたネメシスは雷に打たれて完璧超人に転生、するのはいいんだけどこの転生シーン、前振り含めて6ページはさすがに使いすぎなのでは。構成的にページ余りました感がすごい。
 キン肉王家の闇に触れたスグルは激しいショックを受けるもののラーメンマンは権力者も歴史も大概ロクなもんじゃねえ、とキン肉マンを突き放すような態度に。しかしツンの後にはデレがあるのが定石なわけでキン肉マンは人の痛みがわかる超人で、キン肉族の陽の部分だと褒めまくります。そしてネメシスはキン肉族によって正義の心を殺されたが、自分はキン肉族によって完璧への転生を思いとどまった、と唐突にラーメンマンは過去に完璧超人になろうとしたことがある、と告白するのでした。
 そんなわけでネメシス過去語りが終わったと思ったら、今度はラーメンマンの過去語りが始まってしまうという衝撃の展開に。読者は皆「回想うざいけど面白いから許す、でもはよ試合はじめてくれ」と思っている中でさらに過去語りを続けるゆで先生は凄いと言わざるを得ない。
 話は変りますが、旧キン肉マンではモンゴルマン含めて毎回人気投票ではベスト10内、しかもかなりの頻度でベスト5に入っていたラーメンマン。今回の超人総選挙2015の中間発表ではベスト10圏外とけっこうな凋落ぶりを見せています。この人気凋落の理由は何か。対マーベラス戦が割としょっぱい試合だったというのもあるけど、一番の理由はラーメンマンのキャラクターが妙に優等生的になってしまって魅力がなくなってしまったことにあると思う。
 私の持論だと漫画とかアニメのキャラというのはごちゃごちゃ人数がいてもメインのチームとして活躍するのは2〜5人程度が適正で後のメンバーは準レギュラー的な扱いになるものだと思う。キン肉マンの場合アイドル超人というのがメインのチームだけど、現在のアイドル超人はキン肉マンテリーマンウォーズマンラーメンマン、ブロッケンJrの五人。この五人のチームが名実ともにキン肉マンのメインキャラクターになると思う。そしてアイドル超人軍のキャラクター構成は主人公+若草物語の四姉妹型とでもいうべきチーム構成である。若草物語の四姉妹型というチーム構成はギャルゲーのヒロイン群とか日常系美少女アニメにありがちだが、バトルものでもそれなりに登場してくる。仮面ライダー電王の四タロスとかね。
 主人公キン肉マンのキャラクターに関しては言及を省略するが四姉妹の誰にどの超人が該当するか言及していこう。

■長女メグ:ウォーズマン
 四姉妹のまとめ役。性格はしっかり者だが要領はあまり良くない。また年長者として振る舞う反動でひどく幼い一面を見せることもある。現在のウォーズマンがこの立ち位置だが、かつてはロビンマスクがこのポジションだった。ウォーズマンが旧肉でパッとしなかったのは技とかロボ超人としての扱いにくさもあったがロビンとのポジション被りも大きな要因だと思う。
■次女ジョー:テリーマン
 四姉妹の切込み隊長。直情的で考えるより先に行動するタイプ。よくも悪くもまっすぐな心情の持ち主だが、思慮のなさでピンチに陥る。男目線でメグがしっかり者のお姉さん、エイミーが可愛い妹だとするとジョーは同級生とか幼馴染のポジション。ここに当てはまるキャラはスグルのマブダチであるテリーマンしかいない。
■三女ベス:ラーメンマン
 四姉妹の不思議ちゃん。他の三人とは一線を画した神秘性が魅力。他の三人では対処できないトラブル時に活躍するある意味ワイルドカード的な存在。ラーメンマンはこの立ち位置。
■四女エイミー:ブロッケンJr
 四姉妹の可愛い末っ子。一番の年少なので軽く扱われがちだが上の姉たちの行動を観察して成長しているので要領はいい。しかし背伸びしようとして痛い目にあうことも多い。このポジションはブロッケンJr。ちなみにジェロニモもこの立ち位置だが、キャラ被りゆえにパッとしないことになったのだろう。

 そんなわけで問題のラーメンマン若草物語でいうとベスに当てはまるキャラだが、この立ち位置は謎めいていたり変人っぽかったりするところが魅力のキモである。かつてのラーメンマンウォーズマンに再起不能にされたもののモンゴルマンと名を変え一歩引いた位置から正義超人を支援するという謎めいたキャラクターになっていた。しかし王位争奪戦でラーメンマンとして復帰して以降は謎めいた部分は消え、優等生的に強いだけ、というキャラクターになってしまっていたと思う。これではベス的なキャラとしての魅力は半減で人気が落ちるのは当然だろう。次回からの過去語りでどんなエピソードが描かれるのかは不明だが、かつての神秘的だったり謎めいていたラーメンマンを取り戻すようなものであってほしい。唐突な過去語りはマーベラス戦でもやっていたから、これからのラーメンマンは試合するたびに取ってつけたような衝撃の過去語りをする不思議ちゃん、というポジションに収まるのかもしれないけど。