空条ジョセフミ

 ジョジョ第三部のアニメが終わってしまいましたね。一部の頃から原作を変に改変したりしない内容で漫画連載を思い返しながら毎回楽しめる良いアニメでした。
 原作があるアニメだとその内容をどの程度改変して良いか、という議論はよくあるけどギャグとか四コマみたいにエピソードをつなぐために付け加えなきゃいけない部分がどうしても必要、というジャンルはともかくストーリー漫画の場合は基本漫画そのまんまでやればいいんじゃないか、という気が最近ではしてる。改変だのオリジナル要素を入れるのって原作をそのままやっちゃうと尺が足りなくなるというのが最大の理由だと思うし、ストックが潤沢なら漫画の内容をそのままアニメに落とし込むのが一番いいだろう。ジョジョの場合はストックが膨大すぎて逆にエピソード削ったりしなきゃ大変じゃないのと思ったけど分割4クールという英断で原作再現できたのも素晴らしかった。
 今回やったエジプト編を振り返ると花京院不遇だったなー、というのが改めて感じられる。ンドゥール戦でいきなり目をやられてリタイア。復帰したダービー弟戦では承太郎の前座として敗北、ディオ戦では時止めの能力に気付いたもののあっさり死亡とまるでいいとこがなかったけど、アニメ版ではディオの能力をジョセフに伝える段取りが原作とちょっと変わってて、花京院の功績が大きく感じられるのが良かった。
 内容の面白さに関しては原作でもエジプト編に入ってからバトルでの駆け引きの面白さが加速してくるんだけど、ペットショップ戦からの敵の中での超精鋭との闘いに突入してからは漫画で読んだとき同様目が離せなくなった。特にヴァニラアイス戦はアニメで動いてるとこを見たい戦いだったんで実際に見られてよかった。
 しかしヴァニラアイス戦って三部のバトルの中でも妙に浮いてるというか、ジョジョのバトルってスタンドのスペックより頭脳戦での駆け引きが重要って部分があるんだけど、あの戦いだけは駆け引きもクソもないというか、問答無用の相手との全能力を賭けたガチの殺し合いという部分が前面に出ている。イギーがディオの姿を使ってヴァニラを油断させようとしたとことか普段のバトルなら「なかなかやるな、でも俺には通用しねー」となるフェイズなのにヴァニラアイスの場合「よくも私にDIO様を攻撃させたなー」で犬にスタンド使わずキックの嵐だからね。話の通じる相手じゃない。
 ヴァニラアイスのスタンド、クリーム攻略法自体は砂をばらまいて攻撃の軌道を読み、ヴァニラが索敵の際に顔を出す瞬間を狙うというシンプルなものだったけど、あの攻略法も射程距離、スピード、殺傷能力を兼ね備えたポルナレフじゃないとできなかったという気がするし、あのバトルだけはなんかジョジョ史全体から浮いてる気がする。
 それと比べるとラスボスのDIO戦は面白かったし強敵感も充分ではあるんだけど、どこか予定調和な感は否めなかった気はする。承太郎のキャラ的にピンチに陥っても大丈夫って部分も大きいんだろうけど。
 エンディング部分はそれほど付け加えることなくさらっと終わったけど、原作もあのスパッと終わる感が好きだったんで潔く爽やかな終了感があって良かった。
 そんなわけで楽しかった三部アニメは終わってしまったけれど、今やってる漫画のジョジョリオンは定助の過去がついに判明する?みたいな展開になって盛り上がってきてるので皆さんこちらも読みましょう。