土俵上の士(もののふ)

 あけましてマッスルスパーク。
 というわけで今年一発目のキン肉マンはウェブ連載の奴じゃなくてグランドジャンプに載った読み切りからスタート。
 今回はウルフマンの読み切りなんだけど、いきなり引退式ってこれは「本編のバトルにウルフは出さねえ」というゆでの強い意志が感じられてウルフマンファンの人にとっては結構ショックではないでしょうか。まあ相撲超人って正直使い辛いとこはあるだろうし、ウルフマンの元ネタ千代の富士が遥か昔に引退してるんで、こうやって花道を飾ってやりつつ、本編では後方支援的な役割を担うようになるのがウルフ的にはベストだとゆで先生も判断したんでしょう。
 今回の時代設定は王位争奪戦終了〜無量大数軍襲来の間の時期ということで引退式にアイドル超人はほとんど不在という悲しい設定ではあったけど、ウルフが戦ったキューブマン、ウルフがキン肉マンを助けるため自害した時に髷を切ったジェロニモとの絡みがクローズアップされていたのは良かった。でも、カニベースのくだりはまったくいらなかった。カニベースはキン肉マンの歴史的に外せない場所にいる超人なんだけど、今のキン肉マンに出てこられても困るというか。
 平和に進んでいた引退式でしたが、漫画的にこれで終わるわけはなくアメリカの相撲超人ブラックシップとかいう奴がボコボコにされたカナディアンマンスペシャルマンの二人を担いで登場しました。ブラックシップ=黒船という名前といいアメリカ国旗のまわしにバカ殿みたいな髷にサングラス、これみよがしにぶら下げたメダルといったデザインといい出オチ感がすごい。
 ブラックシップは止めに入ったミートもボコボコに。ミキサー大帝を倒したバックドロップをかけようとする描写があったのは良かったけど、さすがにこれで倒したら話にならない。
 友である超人たちを傷つけられたウルフマンは怒り、ブラックシップとの戦いを決意。一度切った髷を装着しちょっと苦戦もしたけど、あっさりブラックシップを合掌ひねりで倒しました。戦いのさなかに火事場のクソ力っぽい描写があるけど、もう本編で戦うことがなさそうなのであまり気にしなくていいのか。
 そしてラストは「どす恋ジゴロ」を彷彿とさせる相撲甚句を歌って有終の美を飾りましたが、こういうのがあるから相撲キャラは敬遠されるんだよな。そういえば、割と最近まで日曜の早朝に「のたり松太郎」のアニメがやってたけどあれはどういう意図で放送されていたのかいまだによくわからない。