実写版妖怪人間ベムは二話まで見たけど、けっこう面白い。ベム、ベラ、ベロの原作アニメのキャラとの差異は気にならなくもないけど、何十年も前の話だし、原作と違うところがないと新しいモノなんて作る意味はないと思う。
 とはいえ原作のラストが「妖怪人間三人が助けた人間に裏切られて屋敷に閉じ込められ炎に巻かれて行方不明になる」というインパクトのあるものだっただけに、この方向でやるにせよ救いのあるラストに変更するにせよ作り手の方は大変そうですけど。
 今のところ、ベムたちは人間の駄目なとこばかりを見てるわけで、この調子でいくと「別に人間にならなくてもいい」エンドもありそうだけど、回が進むうちに人間のいいところも見えて希望が見えてきたところで奈落に突き落とすんだろうなあ。アニメ版ベムに似た柄本明演じる謎の男の役割も気になるところです。

 D.M.ディヴァイン「三本の緑の小瓶」読了。知恵おくれの娘が生まれた現実を直視せず外面ばかりを気にするようになった母親、責任を回避することだけを考える父親、そしてそんな家族に晒され本当の自分を隠し地味女として生きるヒロイン。知恵おくれのヒロインの妹もピュアな天使というわけではなく性格は最悪、とろくでもない家族が経営する診療所は抱える医師も自分に自信がないダメ人間、他人に興味がないコミュ不全、言う事は達者だけど実務をやらせると無能。そんな人たちが醸し出す人間関係は大変嫌な感じでいつものディヴァインという感じですが、話の中心になるのは大人ではなく被害者&被害者候補である十三歳の少女たちというところが変わり種で面白かった。特に知恵おくれのシーリアたんは視点人物にもなったりするんですが、周囲の印象ほどバカではないし、性格が思いっきり悪いところにかえって萌えた。
 ミステリ的な見どころとしては被害者を繋ぐ本当のサークルとか真犯人の正体とかがあるんですが、犯人に関しては割とあっさり目星がついてしまうかも