少年エースの黒歴史

 キン肉マン37巻買ってきた。収録作は単行本持ってる奴ばかりなんであんまり買いたくなかったけど、後で欲しくなると嫌なので買った。
 なお収録されてる作品は肉萬の書き下ろし漫画「ウォーズマンビギンズ」、キン肉マン2世9巻に掲載されてる「テリーマンvsキン肉マン」、週刊少年ジャンプ40周年読切のひとつとして描かれた「キン肉マンの結婚式」、そして少年エース増刊「格闘エース」(1号しか出なかった)に掲載された読み切りをコンビニ本用に修正した「マッスルリターンズ」の4本。
 カバーのデザイン、カバー下の表紙デザイン、目次、そして読者からのお便り(笑)、目次は昔のジャンプコミックスまんまなんでそれなりに懐かしい気分になれるかも。
ウォーズマンビギンズ」
 タイトル通りウォーズマンの過去を描いた読み切り」。ウォーズマンが何故ロボ超人として生まれれてきたか、その謎が明かされるんですが、読んだ人は「そんなバカな!」と驚くこと間違いナシのSF問題作。漫画を読んで驚きたい人は必読。
 ウォーズマンロビンマスクが師弟関係にあることは周知の事実ですが、初代キン肉マンにおいてロビンは「ウォーズマンのパロスペシャルに魅せられて」ウォーズマンを育てることを決意したと言っていました。つまりパロスペシャルをウォーズマンが使うのを見てロビンがウォーズを育てる決意をしたというわけですね。しかしキン肉マン2世においては「パロスペシャルはロビン一族に伝わる技だった」という設定ができて設定に大きな矛盾が生まれてしまいました。「ゆでの漫画に矛盾はつきもの」とは言え、さすがに後付でこれはないよ……と思ったものですが、この読切ではなんとその辺の矛盾をきっちり解決しています。ゆでマジック健在を再確認させる一本。
 なお肉萬掲載分の前に超人オリンピック・ザ・ビッグファイト決勝戦ウォーズマン控え室の光景を描いたプロローグが描き足しされてました。
キン肉マンvsテリーマン
 公式試合で戦ったことのないキン肉マンテリーマンが実は戦っていた!というお話。試合の結果はお約束どおり。テリーがちゃんと不運なのがポイント。
キン肉マンの結婚式」
 2世読むとアイドル超人たちは普通にスグルの結婚式に出てるけど、そこは突っ込んじゃ駄目。アイドル超人たちのあまりのツンデレぶりにジャンプを読んだ時に笑った記憶がある。ブロッケンとウルフマンが「その他」扱いにされてるのが地味にひどいけどハブられてるジェロニモよりはマシか。
「マッスルリターンズ」
 少年エース増刊「格闘エース」に掲載された読切を手直しした作品。手直しの理由はキン肉マン2世以前に描かれた作品なので2世とは色々と矛盾があるから。キン肉マン2世ではミートが冷凍睡眠をしていたため初代当時の姿で復活してますが、エース版の読切ではミートくんは中途半端に成長した姿で登場する。ルックス的にはけっこうキモかったので黒歴史になってよかったかもしれない。なお今回収録分ではミートくんは存在しない設定なのでジェロニモに差し替えられていますが、その辺の事情を知ったうえで読むとジェロニモが不自然に前面に出ていることに笑えると思う。
 その他には幼少時のケビンマスクのデザインが2世に近いものになってますが、ケビンの年齢考えると矛盾は拭いきれてないんですよね。2世のデーモンシード編に出てくるクァンもここででてきちゃうし。
 あと2世以前と以後ということに注目すると「ウォーズマンの扱いがひどい」ということがあげられるだろう。他の3本の読切ではけっこう活躍してるウォーズマンだがこの読切では試合すら描かれずにぽっと出の超人BUKIボーイにあっさり負けたことにされているのだ。2世での人気投票結果後のゆでのウォーズへのてのひら返しにも注目しつつこの37巻を読んでほしい。
 なおエース版読み切りはひっそりと単行本にもなっていて単行本未収録のキン肉マン幼年編とロビンメモも掲載されているので興味のある人は古本屋を探してみてください。
 ちなみにキン肉マン37巻を読み終えたらオリジナルの36冊もまた欲しいな……などと思いがちですが、帯とか巻末の36巻セット復刻(しかもボッタクリ価格)の広告を見たらそんな気はきれいに失せたぜ!ヌワジョワ〜〜!!