地鶏サバイブ

 ディケイド龍騎編は無茶な設定を勢いだけで消化してブレイド編に投げたような印象でしたね。いや、消化しきれてないけど。
 前回からカード集めを行っていたレンの真の目的はタイムベントのカードを入手し、桃井が自分を呼び出した理由を知るためだったというもの。タイムベントで過去に戻って捜査できるんなら無茶な裁判やる必要ないだろ、という突っ込みはともかくタイムベントのカードを所持しているのは原作どおりオーディン。無敵のはずのオーディンをなぜかあっさりナイトが倒すというのも原作どおりの展開なんですが、ナイトのファイナルベントのCG渦巻きが中途半端で妙にキモイのが印象的でした。ちなみにライダー裁判においてオーディンがどういう立ち位置の人物かは一切説明がなかった。ちなみに原作では神崎士郎がそこいらにいるホームレスとかにデッキを渡して操り人形のように戦わせるという最強だけど使い捨てというエグイ設定でしたよ。
 そしてタイムベントのカードを使い士とシンジは桃井殺害現場の応接室へとタイムスリップ。「超トリックの真犯人」というタイトルから、脳噛ネウロばりの無茶な物理トリックでも出てくるのか思ったらそんなものは全然なくてアビスの装着者鎌田がかまいたちみたいな特殊能力で攻撃したというだけのオチでした。でもそんな攻撃をフォークの刺し傷と混同するのは無理だろうと、いう突っ込みはさておき、士とシンジの出現によって桃井殺害は回避、士&シンジはチームを結成しアビスとの決戦に挑みます。
 例によって「ちょっとくすぐったいぞ」「アッーー」のお約束と共に龍騎は大股開きしつつドラグレッダーに変形、ディケイドが原作どおりのドラゴンライダーキックをアビスに決め見事撃破。変身解除してボロボロになった鎌田ですが、その体からはなんと緑色の血が。鎌田はなんとブレイド世界の住人アンデッドだったのです、という凄い引き。そして鎌田を手引きしたのは変態顔の謎の男、鳴滝の模様。今回はライダーにディケイドは悪魔だ、と吹き込むことはせず刺客を送り込んでいたようです。
 クウガ編では八代さん、キバ編ではワタルパパ、と毎回死者が出ていたディケイド、龍騎編ではレンが死ぬかと思われましたが、なんと生存しシンジとの絆を取り戻しました。そして物語はブレイド編へと突入。
 今回の龍騎編は設定がぶっ飛んでいて面白かったし原作ファンへのサービスも申し分なかったものの原作龍騎のテーマや面白さを再構成できていたかというとちょっと疑問。レンとシンジの絆は取り戻したもののシンジが事件を通して原作の真司に近づいているかは微妙だし。
 次回からのブレイド編は大企業で働く仮面ライダーという展開になるそうですが、ブレイド原作も始まる前に「組織に所属する、職業:仮面ライダーを選んだ男の物語」みたいなあおりがされていました。そんなわけでその昔、今回はライダーの所属する組織、ボード内の物語が中心に描かれるのかな、と思いつつブレイド第1話を見たのですが、いきなり第1話でボードは壊滅、という意外性というには明らかに間違った展開に。主演役者陣の顔の見分けがつかない、滑舌がひどいといった問題よりも、この展開を見たとき、今回のライダーは駄目かも……、と思ったものでした。まあ実際ブレイドは途中で視聴をやめちゃったんですが、組織に属するライダーというネタは次作の響鬼で上手く料理されてましたね。
 ちなみにディケイドのメインライター會川昇ブレイド後半のメインライターを務めていましたが、ディケイドブレイド編の脚本はカブトの米村正二が担当する模様。原作に関わったライターはあえて外す方針なんでしょうか。