今週の蟹

 ディケイド龍騎編は仮面ライダーのバトルで裁判の判決を決めるという無茶な展開になりましたが、ライダーバトルで人が死ぬかどうか一は切説明が無かった。数ある事件を全部ライダー裁判で裁いてたらかえって普通の裁判より効率悪そうとか色々突っ込みどころはあるけど、ここまでぶっ飛んでると突っ込んでも仕方ない。
 仮面ライダー龍騎は原作では13人のライダーたちがそれぞれの願いを叶えるためにバトルに参加し、主人公真司はミラーモンスターから人々を守るため、そしてライダーバトル自体をやめさせるために龍騎となって戦いに参加するけれど、それぞれのライダーが抱える事情を知るうちに戦いを止めることを迷い、それでも自分の信念を貫いていく、という話だったけど、裁判というアレンジはその辺のテーマを表現するのにはいいモチーフかもしれないですな。
 で、今回の前半は龍騎の中でも裏人気ナンバーワンのライダー、シザースが色々ネタにされていたのは旧作のファンには嬉しいところ。最弱ライダーのくせにバックル破壊でベルデに勝利し視聴者を驚かせたもののあっさりナイトにやられてやっぱりシザースシザースと納得させたり、劇中の雑誌で「期待をするな!!!弱さが売り?の卑怯なライダー!!!漁夫の利戦士がライダー裁判を挟む!!!」と特集を組まれたりするなど無駄に愛されすぎだ。
 シザースさんは原作龍騎で出てきたときも怪人とあんまり変わらないデザイン、刑事だけど素で犯罪者、設定的に最弱、ファイナルベントがボールみたいになって体当たりという安い技、ナイトに善戦してライダーバトルの勝者になると大口を叩いた後、マッハの速さでバックルを破壊され契約モンスターに喰われて死亡、と仮面ライダーというにはあまりにアレな奴だったのでネタキャラとして愛されたが、今回もまったく期待を裏切らなかった。
 もっとも原作シザースは原作龍騎の世界観の説明の為に用意されたキャラって側面もあって「ライダーは善人ばかりではない」「戦いに敗れた奴の末路は死のみ」といった設定をさらっと視聴者に伝える役割も負っていたとは思います。それと龍騎は放送開始当時は龍騎の顔面に焼肉用の鉄板をつけたような当時としては斬新過ぎるライダーのデザインが論議をかもしていたのですが、シザースが出てきたおかげで「これがアリならもうどんなデザインでもアリだ」という雰囲気が出来たような気がしたのですが、これは私の考えすぎでしょうか。
 蟹の話ばかりになってしまいましたが、後半の戦闘シーンではキバに変化したディケイドとナイトとの蝙蝠モチーフ対決で分身バトルやキバフォームチェンジなどがあって面白かったのですが、バッシャーフォームがまったくの役立たずだったことはキバファンとして記憶に留めておきたい。