くれないまさお

 えーと、色々と想像の斜め上を行く最終回だなオイ。というわけで遂に仮面ライダーキバ最終回ですよ。前回ファンガイアの王になることを宣言した渡、ビショップからの宣戦布告にもひるむ様子を見せません。そして例年通りアバンタイトルの後はオープニング曲がかからずタイトルだけが表示され本編スタートです。
 前回ビショップにボコられイクサナックルを嶋さんに返還する名護さん。しかし恵に引き止められコンビプレーの特訓を開始します。この特訓のシーンはやけに短くて尺の足りなさをあからさまに感じさせます。名護さん失明はもうちょっと前に仕込んでおくべきネタだったよね。そしてラブラブ度がますます高まる二人。
 一方、大牙は渡に母真夜を倒し、ダークキバの力を手に入れたと宣言。渡は重い腰を上げ、大牙と渡、二人のキバ決戦がはじまりました。そして平成ライダー最終回近辺名物再生怪人軍団が現れる中、ガルル、バッシャー、ドッガの三馬鹿軍団も乱入して暴れはじめました。この三人ではガルルさんは着ぐるみ、中の人ともにけっこう出番があったけど、他の二人はあんまり出番なくて残念でしたね。前半から中盤はそれなりに話に絡んだけど後半は空気化したからなあ。
そして怪人軍団を率いてきたビショップに挑むのはもちろん我らが名護さんと恵。目が見えないことをビショップに見抜かれながら恵の指示と愛のパワーでイクサ爆撃が決まり名護vsビショップの戦いにはついに決着がついたのでした。そして二人で抱き合う名護と恵。まるでラスボスを倒したかのような喜びっぷりですが、実際にはビショップが倒されたことでバットファンガイアが復活してしまうのでした。
 再生怪人軍団を撃破し二人のキバの戦いが再開しようとしたときに嶋さんが現れ、大牙に渡の真意を伝えました。キングを狙うビショップ軍団から大牙を守るために、キングを名乗った渡。兄弟の心が通じ合ったところに通りすがりのラスボス、バットファンガイアが現れました。
 圧倒的なパワーで二人のキバをボコボコにするバットファンガイア。渡は物凄い崖落ちシーンを披露します、っていうかどこまで転がっていくんだよ(笑)。そんな渡を落下から救ったのはなんと22年前の戦いで大破した音也イクサの腕。前々回イクサベルトって書いちゃったけど海に落ちたのは腕だったのね。一見意味なしに見えたイクサへの変身がこんなとこに繋がっているとは!イクサの腕をつかみながら音也の意志を感じ取り、渡復活。大牙と共に再変身し、バットファンガイアに挑みます。ダブルライダーキックは渡&音也でやっちゃったから今回はどうするのだろうと思ってたら、ダークキバはなんとサガの必殺技仕事人スペシャルでバットファンガイアを拘束。そして渡キバのエンペラームーンブレイクでバットファンガイアを撃破。二人の必殺技を上手く使うことでラストバトルで盛り上がったのは良かったけど、どこかでバッシャーフィーバーが……と期待してただけに出なくて残念。しかし過去キングは女房を寝取られた上にキバット2世には裏切られ、息子のバリアーで爆死したあげくビショップに蘇らせられて、また爆死とキバの中でもっとも不幸な登場人物でしたね。
 戦いが終わった後、二人の前に現れたのはなんと真夜。大牙は実は真夜にとどめをさしてはいなかったのでした、ってこの辺はなんとなくわかってたけど。そして渡と大牙に拳で語り合えと勧める真夜。青春ドラマのように殴り合う渡と大牙。こうして最終決戦は終了したのでした。
厄介なビショップを亡き者にし一応ラスボスを倒し大牙とも和解したことでファンガイア上層部の揉め事には決着がつきましたが、人間とファンガイアの共存という大問題は何も決着していません。この辺は投げっぱなしで終わるのか、と思っていると大企業の社長に返り咲いた大牙から「ライフエナジーに代わるエネルギーを開発しよう」との言葉が。それでオーケーなのか井上敏樹ファイズの暗いエンディングが念頭にあっただけに人類と異種族との共存は灰色、大牙も真夜もなんだかんだで死んで終わるんじゃないか、と思ってただけにこの誰も死なない展開は正直意外でした。まあ井上敏樹がその辺投げただけって気がしなくもないけど。
 放送時間も残り少なくなり舞台は名護さんと恵の結婚式へ。亡き母に花嫁姿を見せたかったと述懐する恵の前にゆりの幻が。妙に貫禄あるけど、中の人の年はゆりの方が恵より年下。式が始まり花嫁と共に歩いてきたのは呉服屋の主人……ではなく何故か嶋さん。恵の父はもう死んでるって設定なんでしょうか。まあ最終回で新キャラ出されても困るっていうのはわかるけど。ちなみに結婚式にマスターは欠席。マスターと嶋さんもあんまり出番のないキャラでしたなあ。嶋さんは最後の方で取ってつけたように出番増えたけど、指揮官として無能なのか腹黒いのか良くわからないまま終盤まで来ちゃった感はあります。キバはキャラが多すぎてそれぞれを生かしきれなかったという部分があるのでその辺は凄く残念です。前回出てこなかった健吾も結婚式には参加してますが、健吾も渡のよき友人から、やさぐれキャラになってから持て余し気味になっちゃいましたね。
 そして名護さんと恵のキスで式場は大盛り上がり。略奪愛とか三角関係だらけだったキバ世界でその辺と無関係だった二人だけがくっついて幸せになってるというのは結構皮肉ですな。しかもあの名護さんがまっとうな幸せを掴むなんて!この番組の主役は実質音也と名護さんだったようなとこはありますけど。
 結婚式は滞りなく進み、友人代表渡がバイオリンを演奏することに。ああ、これで渡のバイオリン演奏と共に回想と共にスタッフロールが流れるんだな……、詰め込みすぎは否めないし、抱えた問題はけっこう放置したままだけど、話はキレイにまとまったし、最終決戦盛り上がったから、そこそこの最終回だったんじゃね、とか思っていたら結婚式にホームレスみたいな小汚い若者が乱入してきました。その顔はどうみても……。
 結婚式に乱入し渡をパパ〜と呼んだ音也そっくりの若者の名は雅夫、もとい正夫。なんと22年後の未来から渡の息子でした。正夫はネオファンガイアとの戦いに力を貸してくれと渡に頼みます。そして外に出るとそこには巨大な円盤が。
 そんなわけでしめやかに終わるかと思ったら、まさかのバックトゥザフューチャーオチ。
 ……仮面ライダーキバってシリアスな路線じゃなかったのかよ!面白かったかと言われれば面白かったと答えるしかないけど、いい最終回だったかと聞かれたら答えに詰まるなんともカオスな最終回。やはり井上敏樹大先生はスゲェと言わざると得ないということでキバ最終回の感想を終わらせていただきます。