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 文藝とか文豪といったものとは縁遠い人生を送っておりますが、「文豪怪談傑作選/金井田英津子原画展+神保町のお化け絵本展」をちらっとだけ見てきました。
 予想以上にこじんまりした会場で、こんなところでトークショーなんてできるのかな、という感じでしたが、幻妖ブックブログでも『展示物をゆっくりご覧になりたい方、着席してトークを聞きたいという方は、早めにスタンバイされていたほうが安全確実かと思われます』と書かれていますが、確かに早めに会場に行ったほうが良いかもしれません。
 もっとも、私が行ったときには会場はガラガラでお客さんは女の子が一人、おっさんが一人、途中から若い兄ちゃんが一人入ってきた程度でしたが。
 金井田英津子さんの原画はずらっと10点並んだ状態で展示されていました。筑摩書房の特設サイトで述べられていた通り原画は着色されてないモノクロの状態で、その下に飾られている着色・編集されたブックカバーと見比べられるようになっており興味深く鑑賞することが出来ました。『雛の宿』のタイトルに隠れた雄雛もちゃんと描いてあるのが見られます。
 併設された「神保町のお化け絵本展」も見てきましたが、門外漢なのでカラフルで面白いなと思ったぐらいで、どの程度価値があるものかはよくわからず。
 会場ではアンケート用紙とパンフレットをもらいましたが、パンフの方はシンプルながら文豪怪談シリーズの紹介、東&金井田対談の抄録、そして文豪怪談文学年表が掲載されているなど充実した内容でした。怪談年表を見ながら来年の文豪怪談を予想するのも楽しいかもしれません。
 もっとも私は10冊ある文豪怪談シリーズのうちまだ6冊しか読了してないんで既刊を消化するほうが先なんだけど。特に第一期は吉屋信子しか読み終わってない。
 第二期は最近になって一気に読みましたが、柳田国男集はビッグコミック水木しげるの『遠野物語』が連載されてなかったらたぶん後回しにして読まずじまいだった。遠野物語十一話の漫画があまりにアレだったんで原作どうなってるんだ?と放置しておいた柳田国男集を開いてみたら原作そのままだったんで驚いて一気に読んでしまったような感じです。水木版遠野物語ぶっきらぼうで面白いからみんな読もう。
 現在の第三期は『文藝怪談実話』は読みやすいし田中河内介の話に興味があったんで一気に読めたけど小川未明を放置したまま室生犀星が出てしまったんで先に犀星を読んで現在未明集を読んでいます。犀星の方は「切なさの怪談」、未明のほうは「寂しさの怪談」といった感じで好対照な2冊なんではないでしょうか。