ひっそりこっそりまったりぐったり時々もっこり

 第6回ビーケーワン怪談大賞は選考結果&選考会レポート発表。これが出るととうとう祭りも終わったなという気がしますね。京都では祭りがあるみたいだけど私は行けないんで怪談大賞に関してはこれを読んで終了。
 そんなわけでまずは審査員の御三方、実務にあたったビーケーワン辻様タカザワ様、そして投稿者の皆様お疲れ様でした。受賞者の皆様おめでとうございます。それと超便利サイトてのひらのうらのうらを作成していただいた夏雨さまには特にお疲れ様、そしてありがとうと言っておきたい。投稿作品を読んだり調べ物をするのに便利という即物的なありがたさもあるのですが、このサイトを足がかりにして祭りが盛り上がったことうや、何かをやろうとする人の助けになり新たな動きに繋がるであろうことを考えると夏雨さんの功績はさらに大きいと思う。
 さて、今年の選考レポートですがいきなり加門七海吠える!というか加門さん福澤さん共に厳しい発言を連発。よくぞ言ってくれたと思う部分もあるし、耳が痛い部分もあるし、これからどうしたもんかなと考えさせられるところもあり大変興味深く読ませていただきました。
 怪談としてはどうかという作品が増えすぎてしまったということですが、第4回あたりから実話系の枠におさまらない作品が増え、怪談の枠が広がったものの、掌編の魅力や実験文学としての面白さに注目が集まりすぎてしまい、掌編として面白ければ怪談としての精度は大目に見るべきじゃね?という雰囲気が出来初めていただけに加門さんがここで一発かましたことには大きな意味があったんではないかと思います。というか自分も割と『怪談を書く』ということに関して軸がぶれていたと思うので怪談とはなんぞやという部分から考え直していきたい。
 今回は加門さん、福澤さん共に小手先のテクニック、安易な思いつきを戒める発言をされていますが、お二人の発言から色々考えてみると次回の投稿では現代を舞台にしたオーソドックスな実話系怪談に挑戦してみるのも狙い目としてアリかなとちょっと思いました。
 制限は多いですが大雑把に題材を決めてしまえば取材なり調査をすることで作品のヒントやある程度のリアリティは得られるし、リアリティがあれば作品の説得力について自信も持てる。それに実話系という縛りがあれば安易に人を殺す展開はできなくなる。実話系怪談では語り手が死ぬ、だけはご法度だし自分が幽霊という展開もアウト。不用意な死は実話であるというリアリティを損なうだけなので無闇に殺人や自殺を出すこともなくなる。というか創作、と読者が割り切ってる状況であっても安易に人の死を出すことは作品の興を削ぐだけだとは思いますけど。
 現代を舞台にした実話系怪談であれば擬古文やややこしい舞台設定も必要なく文章表現と構成に集中できますし、制限が多いものに挑戦することで実力も磨かれると思う。自分の書くものの方向性をはっきり決めているのでなければ実話系怪談には挑戦するだけの価値があると思います。まあ自分でやるかどうかはわからないけど。

 あと結果に関してですが今回はベスト50にすら入らないのでは?と思っていましたが拙作『マーくんのごちそう』を東雅夫さんのベスト50リストに選んでいただき大変励みになりました。ありがとうございます。投稿作の中ではこの作品が一番『怪談である』ことを意識していて書いた、というか他の作品についてはむしろ厳密な怪談でなくてもいいかと思って書いていた節があるので、やはり怪談作品を書くことに関して意識的でなければならないと改めて思いました。
 またこの作品に関しては怪談大賞ブログにアップされた時に意図しない改行があって修正を依頼したのですがビーケーワン辻様には大変丁寧に対応して頂きました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。ちなみに意図しない改行はよりによって『うんこ』の真後ろにあってコレはさすがに直してもらなければいかん、と思ったのですが修正依頼のメールが『うんこ』という文字だらけになってしまい『うんこ』を削るのに苦労しました。
 そんなわけで長々と書いてきましたが来年も参加して今年よりもよい結果が出せるように頑張っていきたいところ。