闘うこととの闘い!!

 今回のタイトル、なんか間抜けですよね。心の準備のための準備、みたいな間抜け感がある。内容的には的確で、逃げ癖がいまだに治っていないスグル大王がネメシス戦から逃げ出そうとする、という話なんですが。
 そんなわけで今回のキン肉マンジェロニモ&ピークァブーの重傷コンビが暮らすKO病院の一室からスタートです。どちらも全身包帯グルグル巻きで動けそうもないけれど、ピークァブーは起き上がり、行かなければいかないところがある、と言って外へ消えました。この時点ではネメシスなり武道なりに会いに行ったのかな、と思ったんですが、実は……。
 それはともかくジェロニモ先生の方はいまだ身動きできず、ただピークァを見守るだけ。けっこう前に案外シリーズの鍵を握るキャラになるんじゃないかと思ったこともあったけど、この様子だと見せ場すらなく病室から出られず今シリーズ終了の可能性も高そうです。
 今シリーズもう出番がないのでは?と危ぶまれるキャラといえば、もちろん我らがウォーズマン。委員長の粋なはからいでメディカルサスペンション入りしてダメージを回復するキン肉マンとネメシス。しかしキン肉マンはネメシスにビビり、ウォーズマンに良かったらお前がサスペンションに入ってくれと言う始末。
 そんなキン肉マンに対し、俺もロビンの仇と戦いたいがシルバーマンにあそこまで言われたらキン肉族でない俺の出る幕はない、自分の強さを信じろ、と諭すウォーズマン。しかしスグルは自分は強くない、ウォーズマンに勝ったのもまぐれだ、と駄々をこねるのでした。
 この辺、スグルのヘタレぶりにピークァブー戦で見せた貫禄はなんだったのかとあきれる声もあるかと思いますが、たぶん弱さを持ち続けている→他人の弱さにも共感できる慈悲の心がある、につながる部分なんじゃないかと思います。
 自分を卑下するキン肉マンに対し、あくまで冷静にスグルとの闘いは俺にとってのベストバウトだった、その闘いを貶めるようなことを言うなと諭すウォーズマン。この辺り相談相手がテリーマンあたりだとスグルに手を出してスグル逃亡みたいな流れになるんだけど、ウォーズマンならではのキャラが出ていていいですね。
 そしてスグルの恐怖は半分機械である自分にもわかる。人は苦境に対し恐怖があるからこそ生き抜こうと力を発揮できるのだとスグルを諭すウォーズマン。その言葉を聞いてスグルは肉体回復装置に入るのでした。……結局、逃げるけどな。
 一方、負傷の回復を図るネメシスはキン肉マンが兄タツノリのスピリットの継承者であることを認め、闘えば自分との違いがわかるのか、と思いを馳せるのでした。正義を捨てつつも兄へのリスペクトだけは忘れていないのがネメシスのいいところ。
 ネメシス同様肉体回復中のスグルの方は肉体のダメージは回復しつつも心には不安が募る一方。そして遂には力技で回復装置から脱出しお約束の唐草模様の風呂敷を背負って逃亡を図るのでした。しかし、山中に逃亡するキン肉マンの前に追っ手が!
 当然、その追っ手はウォーズマンかと思いきやなんと……アタル兄さん!
 ……ではなく、ネプチューンマンでした。連れてきたのはピークァブーです。
 えー、今更こいつ出てくるの、と思わなくもないですが、今のネプチューンマンは二世タッグ編のアレではないはずなんで、きっとキン肉マンの良きアドバイザーになってくれるのでしょう。これで汚名返上なるか汚名挽回になるのか次回が楽しみです。
 あとウォーズマンはもう試合はなさそうですが、今回のキン肉マンとの対話を見る限り、ネメシス戦で後のクロエとしての活躍を彷彿させる名セコンドぶりを見せてくれることが期待できそうです。というか下手に戦うと危なっかしくて仕方ないのでセコンドとして活躍してください。