今週のダブル

 今週出てきたドーパントは人間態が我修院達也、デザインはずんぐりむっくりのブサイクとけっこうなインパクトがありました。ライダーの怪人というと動植物がモチーフで初回は蜘蛛モチーフみたいなお約束があって平成に入ってからも割とそのお約束が守られてきたけれど、Wではマグマ、ティラノサウルス、お金、と怪人のモチーフに何ら脈絡がないのが凄い。そういえばこのWは平成ライダー十一作目でシリーズの新たなはじまり、みたいな位置にあるのに『原点回帰』みたいな守りに入ったことは全然言ってないのはけっこう偉いと思う。それどころかライダーは野郎二人が合体して変身という無茶な設定、ディケイドの後で無難なデザインになると思ったら、デザインそのものはまともなのに左右非対称なせいで珍奇さが目立つデザイン。無意味に体が半分に分裂する必殺技、露骨な探偵物語へのリスペクトとか恐ろしいくらいの変化と攻めの姿勢だ。正直なところ電王のときくらいワクワクしながら見てますよ。
 さて今回はミリオンコロッセオという謎のカジノをめぐるお話。トンネルの途中に唐突に現れる扉とか、コインに人間の魂を封じ込める能力とかジョジョで出てきたネタを思い出させる演出が続きました。今回も何にでも首を突っ込むヒロインさんは出ずっぱり、正直見ててウザく感じる部分もなくはないけど、顔がいちいち面白いからこのまま頑張ってほしい。そして戦闘シーンでは『家族』という単語に触れるたびにフィリップの意識が途切れてピンチになったりするのですが回想シーンに現れた家族の構成を見る限りフィリップ=園咲家の人間だったりするんでしょうか。第一話ではライダーになるまでの過程はすっとばしてベルトを手に入れるとこの回想だけで済ませているこのWという作品、翔太郎、フィリップともに実はバックグラウンドはけっこう謎なんですが、それだけに片割れのフィリップの正体に近付きそうな展開は楽しみですが、しばらくは引っ張るんだろうな。