オールライダーファン対大東映

 まさか謎解きも話のシメも全部冬の劇場版に投げるとは思わなかったぜ!というわけで仮面ライダーディケイドが最終回を迎えましたが、最終回と呼べる代物ではないね。せめて話的になんかしらのケリはつけてほしかった。
 前半の平成ライダー9世界は各原作のエッセンスを活かしてあって面白かったんだけど、後半になってからは冗長だし音也が何者だったのかわからなかったネガ世界編、ディエンドが何者なのか?については触れられなかったディエンド編、面白かったけど話的には進展しなかったシンケンジャー編、大ショッカーが出現したてつを編&アマゾン編に関してはもう夏の映画の宣伝でしかなかったし…という感じで一気に失速してしまったという感が強い。
 冬の有料最終回は見に行くとは思いますがちゃんと完結するんだろうか……。
 こんな最終回のせいで次回作Wの予告は霞んでしまったけどプロデューサー、脚本も変わるのでちゃんと見てみようとは思います。珍奇なデザインのライダーは面白い、という法則もあることだし。
 
 あと飴村行『粘膜蜥蜴』を読む。今作も大変面白かった。前作『粘膜人間』は予測不能の展開!とか煽っていながら割と終盤の展開は予定調和だったけど、今回は終盤までどこに連れていかれるかわからない感覚があった。グロも笑いどころも盛りだくさんだし、爬虫人ヘルビノの設定も河童に負けず劣らず面白い。人間とは違った価値観を持つ異種族と人間との接触を扱うというモチーフは粘膜人間と同様ながら、全然二番煎じにはならず前作とは違った切り口で楽しませてくれます。陰の主役爬虫人の富蔵は前作の河童のモモ太とはまったく違ったお調子者のボンクラだけど、インパクトの強さでは決してひけを取らないし、雪麻呂や間宮の糞人間ぶりもひどいし大吉のバカっぷりも最高だった。おちょぼ口!あと女性キャラの扱いはどいつも心底ひどい。魅和子なんてヒロインかと思ったらキャラ全然立ってないよwとにかく前作が楽しめた人なら期待に違わぬ面白さなので是非一読をオススメします。